2019年3月1日に公開された映画「九月の恋と出会うまで」。
テレビではCMや、俳優さんのPRでご存知の方も多いと思います。
今回の映画は単なるラブストーリーではなく、SFを絡めたミステリー仕立ての映画です。
そして『書店員が選んだ恋愛小説第1位』に選ばれた小説が原作になっています。
人気の作品を、主人公演じる高橋一生と川口春奈で切なく演じあげた本作品。
今回は話題の映画「九月の恋に出会うまで」の感想や見どころを紹介します。
あなたは不思議な現象を解明できる?
まずこの映画「九月の恋に出あるまで」は、不思議な事ばかりが起こる映画と、いう印象を受けます。
しかしこれだけ不自然な現象が目白押しなのに、すべてが「SF」で片付けられることができる、作者の技法が素晴らしいです。
そしてそれは、この映画の脚本にもそのまま引き継がれています。
主人公シオリ(川口春奈)は、当時住んでいたマンションの更新に少し尻込みしていました。
気が乗らない更新、しかし引っ越しは面倒くさい・・・と言う状況で、買い物に行ったある日、ぬいぐるみから【声】が聞こえるのです。
その【声】は、しきりにシオリに引っ越しをすすめるもの。
思い切って【声】に従うことにしたシオリは、ぬいぐるみを購入して引っ越しを決意するのです。
まず、この冒頭から不思議な現象が出現しましたね。
ぬいぐるみが話す、という唐突な現象はドラマ「世にも奇妙な物語」的なオープニングのように感じます。
引き続き現れる怪現象から隣人と出会うことに
引っ越し先のマンションを無事決まったシオリ。
しかしそのマンションもとっても変わっていました。
大家さんの入居審査に行ったシオリでしたが「芸術活動をしている人しか入居を認めない」という決まりがあったのです。
シオリはカメラが趣味なので、そのことを強引にアピールしてみます。
ギリギリOKということで、なんとか引っ越し先が決まったシオリでしたが・・・。
このシーンもちょっと変わっていると言えば変わっているような感じです。
芸術を愛する=物静かな人、という人を求めている、ということなのでしょうか?
しかしなんの解明もないまま「ああ、そうなんですか」とでもいうように、物語はそのルールを流して進んでしまうところも不思議な感じがしました。
そしてシオリの隣人が、小説家のタマゴのヒラノ(高橋一生)。
ヒラノとシオリのこの出会いと【恋】が、映画の主軸となって進んでいくのです。
一番の「不思議」は壁から聞こえる声!
シオリが引っ越し先の部屋で過ごしていると、壁から不思議な【声】が聞こえて着ました。
その声は「あなたは1年後の未来に気をつけなければいけない」というもの。
【声】に最初は驚いたシオリでしたが、隣人のヒラノに相談してみようと思うのです。
ヒラノはその声が「タイムパラドクスでは?」と答えます。
つまり1年後に気をつけなければいけないのは、【シオリ】だということなのです。
1年後にシオリが気をつけなければいけないことは、100歩譲って理解できますが、なぜそれが【壁】から聞こえるのかが謎です。
しかし、この突拍子の無い『声』の出現に、そんなに視聴者も驚かないのです。
それは最初にぬいぐるみが話す声が、シオリに届いたという伏線です。
もしかしたらシオリは、そういう不思議な現象を受信する体質なのかもしれませんね。
そしてラストに、たたみかけるように起こるロマンスと謎の解明!
そのストーリーの展開の巧みさに、感嘆の声が聞こえるほどの仕上がりになっていた映画でした。
草野翔吾の作品から結末の内容を予想してみる
映画「九月の恋と出会うまで」は、原作は松尾由美さんの作品です。
松尾由美さんの原作は今回の作品同様SF系のものが多く、そして作品に共通して言えるのは「切ない恋物語」ということ。
松尾由美さんの作品で、切ない気持ちになりたい時にオススメの作品は「雨恋」と、本作の「九月の恋と出会うまで」と言われています。
そしてそれほどまでに【切ない恋物語】としてオススメされる今回の映画「九月の恋と出会うまで」が、脚本家・草野翔吾氏によってどんな展開や雰囲気を見せてくれるのか?
そこがこの映画の見どころにもなっています。
草野翔吾氏の脚本の特徴としては「言葉ではなく【感じとる】感動」と、いうシーンが印象的です。
今回の映画「九月の恋と出会うまで」では、【未来の声】が誰なのか、なぜ志織が九月に恋に落ちはじめたのか、そしてラストは?という意味深い結末をむかえます。
この映画のテーマは「運命の人が僕じゃなくても、僕はあなたを守りたい」と、いう平野のセリフです。
脚本家が草野翔吾氏ということ、そしてこのテーマが本作のラストに大きく関係していそうですよね。
予想してみると、【未来の声】は、おそらく志織と心を通わせる平野だと思います。
そして志織を愛した平野は1年前に戻り、【未来の声】として志織に危機を教えたのではないでしょうか?
1年後に危機をなんとか乗り越えて、ハッピーエンド、という結末も考えられます。
ここでひとつ疑問が生まれます。
それは、平野がどうして【未来の声】をだせるようになったのだろうか?と、いうことです。
平野が超能力者であったり、宇宙人であったなら納得もできる話です。
でも、そのどれでもなかったら?
志織に1年後の危機を知らせるために、平野は何を代償にしたのでしょうか?
そう想像すると、今回の映画「九月の恋と出会うまで」のラストそのものが、平野からの志織への【告白】になりますよね。
まとめ
今回は3月1日に公開される映画「九月の恋と出会うまで」のあらすじとラストの予想を紹介しました。
壁の中の人物・シラノと、実在する隣人・ヒラノという2人の男性を同時に愛してしまうシオリ。
その揺れ動く心情も映画の切なさに繋がっていきますし、ラストのハラハラする展開にもドキドキしてしまいます。
映画が公開された3月は、出会いと別れの季節。
素敵な男女が織りなすSFチックなこの恋愛映画は、見ごたえたっぷりの映画になっています!
平野は志織を助けることができるのでしょうか?
「片思いだから・・・」や「自分に自信がないから」と心の距離がなかなか縮まらない平野と志織。
そんな奥手な2人の恋だからこそ『純粋で美しい』恋物語になりそうですよね。
ラストの予想は当たっているでしょうか?
とにかく切ない涙を流したくなったとき、この映画「九月の恋と出会うまで」はオススメできる作品です。
コメントを残す